数年前に「カンタベリーを聴いてみませんか?」と薦められてキャラヴァンの『グレイとピンクの地』を購入しました。
一曲目のイントロを聴いた瞬間、驚きました。
私、以前に聴いてたんです。
おそらく高校時代にラジオで掛かっていたか、又は人から借りたのでしょう。
アルバムのタイトルもアーティストも忘れてしまい、音の印象だけが残っていました。
ロックともポップスともつかない フワフワとした心地良い音
そのアルバムに再び出会えて、そしてそのアルバムがカンタベリー・ミュージックを代表すると知り、それからです。
怒涛のごとく色々なカンタベリー・ミュージックを聴きまくりました。
キャラヴァンの可愛らしくも上品なセンス、
初期ソフト・マシーンのサイケとジャズを合わせた気だるさ、
ハットフィールド&ザ・ノースの滑らかなシルクのようなタッチ、
聴くもの全てが新鮮でした。
時を経て色々な音楽を通過した今、カンタベリー・ミュージックに出会えて良かったです。
おそらく10代に聴いていたら、「何だかつかみどころのないフニャフニャしたもの」としか認識できなかったでしょう。
今も生き続けるカンタベリー・シーン。
形を変え 常に新しい物を取り入れ 枝分かれしながら。
キャラヴァンをきっかけにカンタベリー・シーンに足を踏み入れた私はカンタベリー・ミュージックの足跡を辿りつつも未来に変化していくカンタベリー・ミュージックを追うのでしょう。