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 カンタベリー・ミュージック
カンタベリー・ミュージックとは
 ’60年代初頭 イギリス・ケント州のカンタベリーに「ワイルド・フラワーズ」というグループがいました。
ケヴィン・エアーズ、ロバート・ワイアット、デヴィッド・アレン、マイク・ラトリッジ、ブライアン&ヒュー・ホッパー、リチャード・シンクレア、パイ・ヘイスティングス等々…が入れ替わりで在籍し、R&Bやビート・ポップを演奏していました。

 やがて「ワイルド・フラワーズ」は解散し、ロバート・ワイアットとケヴィン・エアーズとデヴィッド・アレンとマイク・ラトリッジは「ソフト・マシーン」を、 パイ・ヘイスティングスとリチャード・シンクレアとデイヴ・シンクレアとリチャード・コフランは「キャラヴァン」を結成しました。
「ソフト・マシーン」と「キャラヴァン」から広がる人脈及び、彼らから影響を受けたミュージシャンを称してカンタベリー派と呼びます。

 カンタベリー派の音楽は、ジャズ・ロックを基にした物が多く、実験的で前衛的で ユーモアのセンスとウィットに富み、誰でも口ずさめる覚え易いメロディーを持ちながら、複雑に入り組んだ構築性の高いものです。
その為かプログレッシヴ・ロックの範疇に入れられたりします。

 確かにプログレッシヴ・ロックにはジャズ・ロックあり、現代音楽あり、クラシックあり、他の音楽要素を含んでいるし実験的ですが、カンタベリー・ミュージックのそれとは違うようです。
その違いを上手く言葉に出来れば良いのですが、今の私の力では無理です。
これを言葉に出来るようになれば、また一つグレードが上がるのですが、保留という事でお許しください。

 今年(2004年)はソフト・マシーン、マッチング・モウル、ハットフィールド&ザ・ノース、エッグ、ギルガメッシュ等々のカンタベリー派を代表するアーティストの作品が続々と再発されたり、ケヴィン・エアーズ、デイヴ&リチャード・シンクレア、キャラヴァンが来日公演を行ったり、「ストレンジ・デイズ」からカンタベリー本が出版されました。

 これを機会にカンタベリーを知らない人も、なんとなく知っている人もカンタベリー・ミュージックに触れていただければ嬉しいです。


カンタベリー・ミュージックとの出会い

 数年前に「カンタベリーを聴いてみませんか?」と薦められてキャラヴァンの『グレイとピンクの地』を購入しました。
一曲目のイントロを聴いた瞬間、驚きました。 私、以前に聴いてたんです。
おそらく高校時代にラジオで掛かっていたか、又は人から借りたのでしょう。
アルバムのタイトルもアーティストも忘れてしまい、音の印象だけが残っていました。

ロックともポップスともつかない フワフワとした心地良い音

 そのアルバムに再び出会えて、そしてそのアルバムがカンタベリー・ミュージックを代表すると知り、それからです。
怒涛のごとく色々なカンタベリー・ミュージックを聴きまくりました。

キャラヴァンの可愛らしくも上品なセンス、
初期ソフト・マシーンのサイケとジャズを合わせた気だるさ、
ハットフィールド&ザ・ノースの滑らかなシルクのようなタッチ、
聴くもの全てが新鮮でした。

 時を経て色々な音楽を通過した今、カンタベリー・ミュージックに出会えて良かったです。
おそらく10代に聴いていたら、「何だかつかみどころのないフニャフニャしたもの」としか認識できなかったでしょう。

 今も生き続けるカンタベリー・シーン。
形を変え 常に新しい物を取り入れ 枝分かれしながら。

 キャラヴァンをきっかけにカンタベリー・シーンに足を踏み入れた私はカンタベリー・ミュージックの足跡を辿りつつも未来に変化していくカンタベリー・ミュージックを追うのでしょう。
 

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